相模湖で漕ぐ前に
【初めてのシングルスカル】
シングルスカルは未経験者がいきなり漕ぐことが許されるものではない。それ程危険な艇種である。では、私の初めてを紹介し、皆様にも参考として頂きたい。
私は漕艇を始めて9日目にシングルスカルを漕がせて頂いた。ご指導下さったのは宮ヶ瀬湖ボートクラブの故三原邦夫さん。
全くの未経験者にシングルスカルを漕がせるのだから、ご指導も懇切丁寧の極意である。お陰さまで私が今自由に漕ぐことができるのは、この初回の素晴らしい指導があったからである。
初めてのシングルスカルでは必ず体験すべきことがあるのでここに紹介する。
1. バックローは初期から必須の技術
2. リカバー時の安定は「体」ではなく「オール」を使う。
1. 先ずはバランス。乗艇したら先ず、グリップの高低差を大きくつけて船のバランス特性を確かめよ。
2. バランス取れたら、腕漕ぎ。小ストロークで。漕ぎ始めよ。
3. Back Rowは重要。
戻り、接岸するためには絶対必要。BackRowは、ゆっくりしないと切り込んでバランスを失うからゆっくり押せ。
4. 慣れてきたらストレッチャーを徐々に生かして漕げ。
5. 方向は漕ぐ前に見定めよ。
6. 進路を確認するための振り返りは、recoverよりも、drive中にせよ。
1. オールの付け方。
2. 最初は片方漕ぎ。
漕がない方のオールのグリップ位置を安定させるには腹の位置。gripを高くすればする程、体重がそちらに掛けられるので安定する。
確かに、片方漕ぎの場合、旋回中心側に体重を掛けられるので、drive側は安心して漕げます。
3.右左の片舷漕ぎを確認したら、両手の腕漕ぎ開始。
4. 正面湖を一杯漕ぐ。(2往復)
真っ直ぐ漕げていれば、自分の目線、12時方向の目印は変わらない筈だが、どんどん左旋回している。目標を定めるために、止めて進む方向を確認、修正する。
5. Single Scullは本当に正直。
無駄な力が入ると、艇の反応は正直。おかしいと思ったら、一時、休めて、一寸心を静めて再び漕ぎ出すが良い。自分しかいないので、その点では自由。艇は私の未熟な漕艇に本当に敏感に反応する。だから、悪い点も即座に教えてくれる。これ程の先生は他にない。
6. 桟橋に着けるには
Back Rowのは桟橋が視認できるだけあって、良い。実際には、foward で着岸したが、back rowで着岸する。自信も着いた。
7. 着岸後オールのはずしかた。
先ずは、自分が降りてから。
1.Recover中、gripは握らず、手を開いて上から抑える感じ。
2.catch直前に指は丸める。relaxする一手段。
1. オールは正直。
catchしたあとのbradeが確りsquareならば、オールは泳がない。bradeは確り水に食い込んで、艇を安定させ、推進driveする。
2. Recover中、featherしたオールは、水面をゆっくり走らせ、バランスを失わないようにする。善し悪しは別として、これなら沈は防げる。
3. 私の場合、視線がどんどん左に流れる。
右利きなのに、右が弱く、strokeサイドに旋回する。1. で述べた様にオールが泳ぐケースが頻繁にある。要改善点。
4 ゆっくり漕ぐよう努める。
一漕ぎ一漕ぎ、Yamaha艇が教えてくれる自分の未熟さを感じながら、じっくり漕ぐ。
良く漕げた一本に素晴らしいと感動出来る爽快感は、きっと私の様な新人でしか味わえないに違いない。それも素晴らしい。
1st Solo Rowing 初単独漕艇にはお陰様で本当に良い日和でもありました。
故三原さん、有り難うございました。
そして、宮ヶ瀬湖ボートクラブの皆様、ありがとう。
【相模湖漕艇場で漕ぐ手続き】
一般個人が相模湖漕艇場の艇を借りて相模湖で漕ぐこと。誰でもできる訳ではありません。その為に必要なことを説明します。
相模湖で一般個人が艇を借りて漕ぐ為には、実技を漕艇場職員の方に評価してもらう必要があります。予約を取って実技を見て貰います。
私の場合、その時シングルスカル4日目で下手だったので、場長はみっちり1時間モーターボートで私に伴走し、私の腕前を評価しました。
場長が引き上げた後に、のんびり1時間程漕ぎ上陸した時、場長に「あなたより下手な人合格させたから合格」と言われて喜んだ記憶があります。
シングルスカルで沈させないは無理。沈しても自力回復できる。その自信を宮ヶ瀬湖で付けさせて貰って下さい。
相模湖でトランシーバーを貸与されるのは沈対策。でもトランシーバーも数限りがあります。貸与されない場合もあります。
自動二輪の教習開始前、倒れた自動二輪を起こせないと教習開始できません。また米国のボートクラブでは、沈からの回復が出来ないとシングルスカルを漕がせて貰えないところもあるようです。
沈回復はアンバランスなシングルスカルの必須科目と考えましょう。沈回復を完成したく昨年の宮ヶ瀬湖ボートクラブでの沈体験で2度トライさせて頂いたのは相模湖でシングルスカルを漕ぐ為には必須と考えているからでした。
シングルスカルは基本、ラックからラック迄を一人ですからそれを実施します。
とは言っても、通うシングルスカラーの方には運艇を手伝って貰っている男女を見かけます。そこは年齢、性別で無理はさせないと思います。初めてでしたら、教えて貰うつもりで、取り組みましょう。それで大丈夫だと思います。
私はたった3日、漕ぐことはありましたが、一人で艇を運んだ経験なく、その場で教えて貰った次第です。
伴走が終了したら、周囲を気遣うのは自分だけになります。言い換えれは自分はバウ。単なる漕ぎ手にならぬようご注意ください。そして無事に戻りましょう。
評価を受けるのは他艇が少ない時が良いです。私も朝一*で、お願いしました。
注* モータボート伴走による職員の方による評価は職員が複数いらっしゃる時間帯でないと不可。早番だけの早朝は職員が削減された今年からは無理かも知れません。漕艇場職員にご相談下さい。
以上