ご注意下さい!
相模湖漕艇場では、こんな事も起きます。
【ご参考・長文】2015年、恐怖・感謝・学びの漕ぎ納め
2015/12/27日曜日、2週間ぶりに相模湖へ漕ぎに来た。職員の方々より早く駐車場に入る。いつもは3往復だが漕ぎ納めなので2往復とし早く切り上げ余った時間で900kmの遠漕をもたらしてくれた愛用艇を持参した洗剤で煤払いをと思って来た。晴れ、風なく、漕ぎ納めを気持ちよく出来る環境だった。
が、しかし、
艇庫のシャッターが開くなり一番に艇をラックから出し、リギンクを点検、大きな体格の漕ぎ手が使ったせいか、ストレッチャー、シューズ、オールロックピン幅(pin spread)を修正して、桟橋からバックローで出艇した。
バックローから前進に移った時、手漕ぎ状態で、シングルスカルを漕いでいて、今迄にない恐怖を感じた。シングルスカルを最初に漕いだ時すら、こんな恐怖感はなかった。その恐怖とは、何時でも転覆する、しそうな不安定感。
握らず引けばブレードはスクエアになる筈。その実感が全くない。何で私はシングルスカルがこんなに下手になったのか?
そうこうしている内にコース東端より250mまで達してしまった。遊覧船「スワン丸」の停泊地付近。
そうだ!オールのfore、sternのつけ間違えか?と思い、まず、トランシーバーで事務所に沖でのオールの付け替え支援を依頼した。事務所からではなく、山梨の高校の合宿練習指導中の先生のモーターボートが来てくれた。しかし、冷静になるとオールはつけ間違えておらず、モーターボートは、状況確認して戻った。その時、言われた言葉が「シングルスカル初めてですか?」だった。
不安に満ちた漕ぎ、その原因はブレードがスクエアにならず、切り込むのである。4人漕ぎで一人が切り込んでも転覆の恐れは少ないが、シングルスカルでは他に漕ぎ手は不在。
どうしてスクエアにならない。右舷側のオールロックに原因を探すため、漕ぎながら観察。
pin, swivel, button,sleeve(world rowing rigging handbookによる名称)
そこで見た光景は、何とswivelの中にbuttonが入り込んでしまう。一体、buttonは何のためにある!swivelと断面が四角形のsleeveが当たる筈なのに、swivelとは円形のbuttonが当たっている。円形のbuttonが当たっているのではブレードがスクエアになる筈はない。
この観察から、250mを漕ぎ戻ることは諦め、モーターボートによる帰還支援を求めた。
さっそくモーターボートが来て私もモーターボートに乗り移り桟橋に帰還する。曳航中、モーターボートを操る先生が仰った。我が愛用艇に装置されているswivelはsweep艇用の物。
無事、桟橋に着けた。モーターボート、事務所には感謝である。沈せず戻る事ができたことは有難い。
桟橋には職員の方々、Y校の先生、高山さんが待機されていて、swivelを見るや否や、「これか判らなくては」と仰られた。
職員には別の艇で練習すればとの声があったが、間違えはすぐ訂正しないと私と同じ目に遭遇する人が出るので、付け替えて戴いて、再度、練漕に出た。
何故、こんな事が起きたのか?
我愛用艇の前の利用者は高校生、この高校生が、我愛用艇を漕ぐときに個人のswivelと交換し漕いだ後、元に戻すときにスカル用ではなく、その辺にあるスイープ艇用のものを取り付けた。
これが真実、担当の先生も「あり得ない」と呟いていたが…
教訓、(学び)
1. スカル艇にスイープ用のオールロックが装着される現実が、相模湖漕艇場の様な共有艇では起こりうる。
2. スイープ用のswivelが装着されたシングルスカルは漕ぐことは困難である。転覆の可能性が高い。
3. 1.があることも考慮した出艇前点検が安全対策として欠かせない。
4. リギンクに関しては、計測、修正を欠かさぬこと。
シングルスカルを漕ぐ方々増える中で、安全対策として他の方々にお役に立てばと思います。
以上